皆様こんにちは。本日はいよいよブルゴーニュワインの中で1番有名なロマネ・コンティがある村のご紹介です。
Vosne Romanee(ヴォーヌ・ロマネ)
前回ご紹介したヴ―ジョ村から南に下った場所にあるこのヴォーヌ・ロマネ。実はヴ―ジョとヴォーヌ・ロマネは隣接しておらず、その間にはFlagey-Echezeaux(フラジェ・エシェゾー)があります。
ではなぜ今回フラジェ・エシェゾーを飛ばしてヴォーヌ・ロマネを紹介するのかというと、フラジェ・エシェゾーのワインは全てヴォーヌ・ロマネ扱いになるのです。フラジェ・エシェゾーにはGrands Echezeaux(グラン・エシェゾー)とEchezeaux(エシェゾー)の2つのグラン・クリュがありますが、これらもヴォーヌ・ロマネ扱いになる少し変わった村なのです。
この2つのグラン・クリュを加えた8つのグラン・クリュがあるのがこのヴォーヌ・ロマネになります。
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実はヴォーヌ・ロマネ村ではないグラン・エシェゾー。
世界中のワインラヴァ―を虜にするヴォ―ヌロマネのグラン・クリュ。いったいどんなグラン・クリュがあるのでしょうか?
8つのグラン・クリュ
1,Echezeaux(エシェゾー)
コート・ド・ニュイの中ではクロ・ド・ヴ―ジョに次ぐ広さを誇るグラン・クリュになります。11個の細かい区画が1つになってできたこのグラン・クリュは、場所によってワインの出来栄えが左右されます。一般的にはフレッシュな赤い果実の香りと、ソフトで滑らかなタンニンとまろやかさが特徴的なワインが生み出されます。
注:区画が広く生産者も多い為、全てのエシェゾーには当てはまりません。
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広すぎるが故に難しいエシェゾー。
2,Grands Echezeaux(グラン・エシェゾー)
同じエシェゾーという名前がつくのだが全くエシェゾーとは違うと思った方がいいグラン・クリュ。こちらのグラン・エシェゾーは単一区画なので土壌が均一になっており、生産者も12社しかおらず生産者によるワインの品質のバラツキは多少あるにせよ土壌によるバラツキはありません。グラン・エシェゾーでできるワインは、エシェゾーのスケールを2回りほど大きくしたイメージで、より繊細で女性的。バランスも非常に良くエレガントなワインになります。
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同じエシェゾーと、名前についてはいるが全く格が違うグラン・エシェゾー。
3,Richebourg(リシュブール)
このリシュブールはヴォーヌ・ロマネの中でも、しっかりとしたボディがあるのが特徴。最低でも10年以上は寝かせないと、ポテンシャルを引き出せない長期熟成型のワインが造られます。信じられないくらいの複雑なアロマと華やかさ。果実味もしっかりしていてリッチでエレガントで官能的なワインが生産される畑になっています。
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漫画、神の雫でも何度も出てきたリシュブール。(参照:kaminoshizuku.jp)
4,La Romanee(ラ・ロマネ)
たった0.85ヘクタールしかないフランス最小のグラン・クリュがこのラ・ロマネ。Comte Liger Belair(コント・リジェ・べレール)の単独所有の畑になります。生産量は年間約4000本と少なく、まさに幻のワイン。ビオディナミで耕作し、全房発酵を使い、新樽100%で熟成されるワインは、岩を連想させる様なミネラル感とシルキーな口当たり、しなやかなタンニンと明るい酸、濃厚な果実味が見事にバランスよく混ざり合うワインに仕上がります。
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コント・リジェ・べレールの単独所有畑。
5、Romanee Conti(ロマネ・コンティ)
ブルゴーニュワインの頂点に君臨する畑がこのロマネ・コンティ。ワインに詳しくない人でも1度は耳にした事があるこのワインは、世界で最も高価な価格で取引されるワインです。1.8ヘクタールしかないロマネ・コンティはDomaine de la Romanee Conti(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)の単独所有畑で年間約6000本しか生産されません。畑自体も最高の条件が揃った畑、尚且つ生産するのがブルゴーニュで最も信頼できる生産者のDRCなので品質に疑いの余地はありません。
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世界のワインの頂点がこのロマネ・コンティ。
妖艶で官能的。複雑でありながら繊細。もはや言葉を並べるだけ陳腐に感じてしまうくらいの圧倒的存在感。飲み手の言葉を奪ってしまうワインです。
注:ドメーヌ・ド・ラ・ロマネの事を略してDRCと呼びます。
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十字架が目印のロマネ・コンティの畑の前は有名な撮影スポット。
6,Romanee Saint Vivant(ロマネ・サン・ヴィヴァン)
ヴォーヌ・ロマネ村の6つのグラン・クリュの中では1番大きい畑がこのロマネ・サン・ヴィヴァン。生産者は11社ですが最大所有者はDRCになります。ヴォーヌ・ロマネの中では最も女性的なワインが生産されます。花やベリーのエレガントな香りが豊かで、タンニンと果実の酸のバランスが良く力強さがありつつも、デリケートで繊細な味わい。ヴォーヌ・ロマネの中では長期熟成には最も向いていないワインとなります。
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著名な生産者が名を連ねるロマネ・サン・ヴィヴァン。
7,La Grande Rue(ラ・グランド・リュ)
Francois Lamarche(フランソワ・ラマルシュ)が単独所有するグラン・クリュ。1992年にプルミエ・クリュからグラン・クリュに昇格を果たした珍しい畑。凝縮感があるものの繊細さも感じられる果実味、しなやかで上質なタンニン、美しく伸びやかな酸味。優雅な風味を伴った長い余韻があるワインが生産されます。
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フランソワ・ラマルシュの単独所有畑。
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美しいラ・グランド・リュの畑。
8,La Tache(ラ・ターシュ)
ロマネ・コンティと同様にDRCの単独所有畑。極めて水はけの良い畑で、優美さと力強さを兼ね備え、毎年安定した品質のワインが生産されています。最高年のラ・ターシュはロマネ・コンティさえも凌駕します。年間生産量は約2万本。
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毎年外れないラ・ターシュの方がロマネ・コンティよりも好きという人も多い。
まとめ
8つのグラン・クリュの内4つが単独所有畑というヴォーヌ・ロマネのご紹介でした。素晴らしいプルミエ・クリュの紹介もしたかったのですが、長くなりすぎてしまったので本日はこの辺にさせて頂きます。
次回はヴォーヌ・ロマネの主要な生産者をご紹介していきたいと思います。素晴らしいテロワールには素晴らしい生産者が集まっていますので是非お見逃しなく!
それではまた次回お会いしましょう、チョンゲーオ🥂
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