皆様こんにちは。そんなに書いているつもりは無かったのですが、早くも『シリーズブルゴーニュワインって何?』が7回目になっていました。かなり簡潔に書いてもこれだけの量になってしまうブルゴーニュワイン恐るべし。しかし覚えた先には必ず今まで見えてこなかったワインの領域にたどり着きますので根気よく覚えていきましょう。
覚えていくコツは、まずは興味のある所だけ覚えてあとは肉付けしていくイメージがこのブルゴーニュワインではいいかなと思います。
さぁそれでは本日は前回のシャンボール・ミュジニー村から南下して隣接する村
Vougeot(ヴ―ジョ)
村の栽培面積の70-80%をなんとグラン・クリュ(特級畑)が占めているというとんでもない村です。しかもグラン・クリュの畑はClos de Vougeot(クロ・ド・ヴ―ジョ)1つしかなく、かなり広大な面積のグラン・クリュになります。村名ワインに至ってはグラン・クリュの生産量の十分の一以下となっている為、村名ワインを探す方が難しい特異な村でもあります。
グラン・クリュは1つしかないので、とても覚えやすそうに思えますよね?しかしそこにヴ―ジョ村を分かりづらくさせ、さらにガッカリさせる事が多々ある原因があるのです。
ヴ―ジョ村が分かりづらい原因
記載した通りグラン・クリュが1つしかなく、更にプルミエ・クリュと合わせると村の95%がグラン・クリュかプルミエ・クリュです。聞こえは良いのですが、しかし原因はこの広すぎるグラン・クリュとプルミエ・クリュにあるのです。
主にヴ―ジョのワインと言えば、栽培比率からも分かる通り、ほぼほぼクロ・ド・ヴ―ジョになります。
このクロ・ド・ヴ―ジョの畑は広大なので、斜面の上部から下部までなだらか傾斜になっていて、おおよそ4メートルの標高差があり、同じ名前の畑なのに上部と下部では全く性質の違う畑になっています。これがワインに決定的な差をもたらすとされているのです。
注:下部に行くほど畑の質は落ちていきます。
更にクロ・ド・ヴ―ジョは広大な面積の為、所有者が80以上にのぼります。なので生産者ごとの味のばらつきも、もの凄くあるのです。
ですからグラン・クリュのクロ・ド・ヴ―ジョだからと言って購入しても、もしそのワインが畑の下部の部分から取ったブドウで、いまいちな生産者が造ったワインならどうなるでしょう?品質はとてもグラン・クリュとは思えないモノになっている可能性が大いにあり得てしまうのです。
これらがヴ―ジョを難しくしている原因になります。
おすすめ生産者
Alain Hudelot Noellat(アラン・ユドロ・ノエラ)
シャンボール・ミュジニィ生まれのアラン・ユドロが1964年にオディル夫人とヴージョに構えたドメーヌ。
クロ・ド・ヴ―ジョの好立地に位置する区画の樹齢60年のブドウを使用。赤いベリー系の果実味がたっぷりと感じられるリッチで深みのある味わいで、古樹らしい凝縮感と上品さも感じさせます。力強さのなかにエレガンスをしっかりと感じられるグラン・クリュらしいワインを生産している。
Meo Camuzet(メオ・カミュゼ)
ブルゴーニュ屈指の名門ドメーヌ、メオ・カミュゼ。メオ・カミュゼは、ワインの神様と呼ばれているアンリ・ジャイエがコンサルタントを務めていたことでも有名。
1989年から醸造を担当するジャン・ニコラ・メオはアンリ・ジャイエに直接指導を受けた数少ない人物のひとりで、その指導のおかげで、風味の深さや果実味のインパクト等、メオ・カミュゼの酒質は向上しました。
本拠地はヴォーヌ・ロマネながらクロ・ド・ヴ―ジョにも畑を持ち、その畑は最上部のすぐ下の絶好の区画。その最高の区画から手摘みで収穫されたブドウで造ったワインは、赤スグリやブラックベリーの芳醇な果実香に加えて、森林や土を思わせるアーシーなニュアンスが見事に溶け合い、複雑な香り。口当たりはレースのように柔らかく、エレガントな印象。クロ・ド・ヴ―ジョのポテンシャルを最大限に引き出している生産者。
まとめ
意外と分かりづらいヴ―ジョ村。生産者の数も多いので覚えづらいと思います。なのでもしクロ・ド・ヴ―ジョをお買い求めの際は、ショップの方にどの辺の区画のクロ・ド・ヴ―ジョなのかを聞けばきっとそこまでのハズレは無いはずです。
シャンボール・ミュジニー等に比べたらまだ価格も高騰していないので購入しやすいと思います。当たりのクロ・ド・ヴ―ジョを飲めた時の感動といったら、他のグラン・クリュよりも何だか大きい気がします(笑)
それではまた次回お会いしましょう、チョンゲーオ🥂
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