皆様こんにちは。先週の木曜日(18日)はBeaujolais Nouveau(ボジョレ―・ヌーヴォー)の解禁日でした。それに伴い日本ではイベントが行われたりして数年前ほどではないにせよ、相変わらずの盛り上がりの様です。
さてそんなボジョレ―・ヌーヴォーですが皆様このワインが一体どういったワインかご存じでしょうか?
今回は意外と知られていないボジョレ―・ヌーヴォーとはどんなワインなのかを説明していきたいと思います🍷
ボジョレ―・ヌーヴォーとは?
- フランス、ブルゴーニュ地方にあるボジョレー地区で造られる。
- ブドウ品種はGamay(ガメイ)を使用。
- 収穫した年に販売する新酒。
以上の3つの条件を満たすと晴れてボジョレ―・ヌーヴォーと名乗り販売できます。ちなみにヌーヴォーとはフランス語で『新しい』という意味で、ボジョレ―・ヌーヴォーは新しいボジョレー地区のワインという事になります。
ではそんなボジョレ―・ヌーヴォーですが一体どんな味なのでしょうか?
味わい
新酒ですのでフレッシュな味わいが一番の特徴になります。しかもガメイを使用するので渋みが少なくフルーティで果実味豊かな仕上がりとなります。ですのであまりワインを飲みなれていない方や、赤ワインが苦手という方でも飲みやすい味わいとなっています。一般の赤ワインより温度を下げて飲むとより一層スッキリさっぱり飲む事が出来ます。
毎年発表されているワインの評価
ボジョレ―・ヌーヴォーと同時に皆さんが気にしていなくても耳に入ってくるであろう『今年のボジョレ―・ヌーヴォーの出来は○○○○○○』というフレーズ。まずはどんなモノがあったか見てみましょう。
- 2001年・・・ここ10年で最高
- 2002年・・・過去10年で最高と言われた2001年を上回る出来栄え
- 2003年・・・100年に一度の出来
- 2004年・・・香りが良くなかなかの出来栄え
- 2005年・・・ここ数年で最高
- 2006年・・・昨年同様良い出来栄え
- 2007年・・・柔らかく果実味が豊かで上質な味わい
- 2008年・・・豊かな果実味と程良い酸味が調和した味
- 2009年・・・50年に一度の出来栄え
- 2010年・・・1950年以降最高の出来と言われた2009年と同等の出来
- 2011年・・・近年の当たり年である2009年に匹敵する出来
- 2012年・・・史上最悪の不作だが品質は良く健全。糖度と酸度のバランスが良く軽やか
- 2013年・・・ブドウの収穫量は少ないが、みずみずしさが感じられる素晴らしい品質
- 2014年・・・近年の当たり年である2009年と肩を並べるクオリティ
- 2015年・・・我がワイン人生最良のヌーヴォー
はい、もう正直笑えるレベルの評価です。50年、100年に1度レベルが出来まくっています(笑) いくら販売したいからといっても、こうやって一覧で見るとやりすぎ感満載です。
実態
ここからは個人的な考えですのでご理解ください。
日本では毎年飲まれる方も多いこのボジョレ―・ヌーヴォーですが、実は世界ではほぼ飲まれていません。筆者が住んでいるここタイでも見た事ないです。(日系の酒屋さんが扱ってるかも?)もし飲まれるとしたら新酒ができたお祝いに振舞われたりするくらいでしょうか。
バブル期の日本において『世界で一番早く日本が飲める』とか『解禁』という言葉を上手く使い、大当たりしたボジョレ―・ヌーヴォー。ワインが少しづつ一般の人にも浸透する切っ掛けを作ったのは良かったと思います。
しかし現在はたくさんのワインが世界中から輸入され、様々なワインをチョイスできる環境の中で未だに『今年のボジョレ―・ヌーヴォーの出来は○○○○○○』とか『○○日に解禁』とか言ってる日本ってどうなのかな?と正直思います。
そしてそのボジョレ―・ヌーヴォーの出来を聞いた方が、『今年も良い出来なんだ』と全く関係のない地域まで良いと思ってしまう事もしばしばあります。しかも先ほども記載しましたが、ボジョレ―・ヌーヴォーはガメイという品種から造られます。ホントに毎年異常なくらい良い出来であって『良かった』と喜んでも、ヌーヴォー以外でボジョレーを飲む人はその中の何パーセントなのでしょうか。
そして値段。ここが一番許せない所です。普段全く扱わないので知らなかったのですが、このブログを書くためにボジョレ―・ヌーヴォーを楽天で調べてみると、なんと2000-4000円の間で販売されているのです。新酒なのに普通のワインより高いってどういう事でしょう。この価格設定も消費者をボジョレ―・ヌーヴォーは何か良いワインなんだと錯覚させる原因でもあります。新酒ができたお祝い酒なのでもっと価格を抑えるべきだと思います。
ありがたがってボジョレ―・ヌーヴォーを購入されている方を見るのは少し心苦しくなります。本人が良ければそれでいいのでしょうが複雑な気持ちです。その値段をボジョレ―・ヌーヴォーに払うならもっといいワインがあるし、ボジョレ―・ヌーヴォーの味が好きというならボジョレーのワインを飲んでください。
まとめ
今回はボジョレ―・ヌーヴォーについて書いてきました。ホントはもっと書きたかったのですが大炎上しそうなのでこの程度にしました(笑)。ボジョレ―・ヌーヴォーきっかけでワインを好きになって、普段からワインを飲むようになってくれる方が1人でも多く増える事のみを祈っております。
それではまた次回お会いしましょう、チョンゲーオ🥂
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