ポール・ポンタリエと私

フランスワイン

皆様こんにちは。人にはそれぞれ思い出の品があると思います。それを見ると、ふとその時を思い出したりしますよね。筆者には何本もそんなワインがあるのですが、取り分け特別な思い出のあるワインがあります、それはCh,Margaux(シャトー・マルゴー)です。

さかのぼる事18年前、筆者は当時レストランで働きながら週1回フランス語を習いに行ってました。その時からワインやフランスにはもちろん興味があったのですが、今からしてみたら知識は素人に毛が生えたくらいのモノでした。

そんなある日。フランス語学校の受付に、生徒はフランス行きのチケットが安く購入できるとの文字が!それをみた筆者は飛びつくようにチケットを買いフランスへと出発しました。

韓国経由でパリに到着。

初めての1人旅。しかもフランス。更に1月という真冬!当時はまだグーグルマップなんてものは存在せず、もちろんガラケー。地球の歩き方だけが頼りの旅でした。それでも無事フランスに到着し色々なワイン産地を巡っていきます。

1人旅の命綱、地球の歩き方。

そんなフランス生活も慣れてきた時にボルドーに到着します。筆者の頭の中はもう5大シャトーに行ってみたい1色になっていました。もちろん信じられないくらいの極貧旅なので、タクシーなんか乗れもしないので地図を見たり、人に聞いたりして電車で行ける村を探しました。すると1つの村が浮かび上がってきました。

Margaux(マルゴー)村

ボルドー市街地から電車で1時間程度だったでしょうか、2時間に1本くる単線の電車に乗っていけばあの有名なマルゴー村に到着できるのです。

さっそく朝一で駅に行き電車に乗りマルゴー村に到着します。もちろんそこで降りたのは筆者だけでした(笑)

街を歩く数少ない人にシャトー・マルゴーの場所を聞き、ついに到着します。夢にまで見たエチケットにもなっているシャトーへの長い道を天へと上るような気持ちで歩いていきました。そして入り口が分からないので、とりあえずいる人に声を掛けていく作戦を決行します。(しばらく1人旅を続けていたので、ビビる事なく人に話しかけれる特技を習得しました笑)

シャトーまでの美しいアプローチ。

すぐにスタッフらしき人がいたので見学したい事を伝えると

『アポは取っていますか?無いと入れませんけど』

、、、、、、、、ぇ、アポ、、、そんなの無いです。

『じゃあ無理ですね、では』

と去って行ってしまいました。

アポがいるなんて知らなかった筆者は、その時恐らく数分はフリーズしていたと思います。こんな真冬でめちゃくちゃ寒い中、単線の電車で来てるんだからどうしても見学したいと強く思い、次に通りかかった人にダメもとでお願いしてみました。すると、

『いいですよ、さぁ寒いでしょう。中に入って!僕は案内できないけど英語が喋れるスタッフをつけてあげるからちょっと待ってて。』

と神様みたいな人が中にいれてくれたのです。

こんな感じでフリーズしました。

そこからは別のスタッフがマンツーマンでついてくれて、広い施設内を丁寧に説明してくれながら見学させてもらいました。見学も終わり最初の場所に戻ってきたら、中に入れてくれた神様みたいな人にまた会えたのでお礼を言って帰ろうとしたらシャトー・マルゴーの説明書きが書いてある冊子やグッズを頂きました。

1800年代のマルゴーも保管されている。

こんなアポも取らず突撃してきた分けわからんアジア人の小僧に、ここまでしてくれる姿に感動しました。当時はまだシャトー・マルゴーは飲んだ事なかったのですが、絶対いつか飲むと強く誓ったのを覚えています。

ホテルに帰り、頂いた冊子を早速開くと、

『あれ?さっき中に入れてくれた人が載ってる。どれどれ、、、、、んっ、、嘘、、、。』

そう筆者がたまたま声をかけ優しくしてくれた神様の様な人。じつはシャトー・マルゴーの総支配人のポール・ポンタリエだったのです。そんな事も知らずに気軽に声を掛けていました。無知って怖い💦

神様ポール・ポンタリエ。

ポール・ポンタリエは1983年からシャトー・マルゴーに参画し、当時低迷していたシャトー・マルゴーを見事に復活させた神です。そこからシャトー・マルゴー一筋であくなき探求心で品質向上に人生を捧げてきました。しかし2016年59歳という若さでこの世を去ってしまいます。

筆者はいつかもう一度ポール・ポンタリエに会って、この時のお礼を言いたかったのでこの訃報を聞いたときはショックでした😢

1996シャトー・マルゴー。ポール・ポンタリエ最高傑作のうちの1つ。

一度しか会えなかったポール・ポンタリエ。彼が若造だったこんな筆者をワイナリー内に迎え入れてくれたシーンは、シャトー・マルゴーのボトルを見るたびに思い出します。

それではまた次回お会いしましょう、チョンゲーオ🥂

注:ワイナリー訪問はアポイントメント取ってから訪れましょう(笑)

 

 

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